多くの成功哲学で語られているように、何をするにしても明確な目標を設定するというのは、とても大切なことです。
英語学習ももちろん例外ではなく、多くの人が英語を身につける前に挫折してしまうのは、目標設定に問題があるのも一因ではないかと考えています。
英語が出来るようになるために英語を勉強する?
日本人に英語を学ぶ理由を聞くと、「英語が出来るようになりたいから」という答えが多く返ってきます。
でも、これって明らかに”おかしな”答えなのが分かるでしょうか。
もし日本語を勉強中の外国人にその理由を聞けば、「マンガを読みたいから」「日本で仕事をしたいから」「忍者になりたいから」といった答えが返ってきます。
つまり、英語を勉強する理由を聞く場合、英語が出来るようになってから”何を”したいのかを聞いているわけです。
上記の日本人の回答は、「英語が出来るようになりたいから、英語が出来るようになりたいんです」と言っているようなものです。意味のない言葉遊びですね。
”何のために”、”何をするために”、英語を学ぶのか。
そこをまず明確にしておかないと、ただイタズラにお金と時間を浪費するだけになってしまいます。
そういう人たちのおかげで、日本の英語市場はこれだけ巨大になっているわけですが。。
英語の目標は(仮)で良い
目指す目標によって学ぶべき内容も違ってきますから、最初の目標設定はとても大事です。
とても大事なのですが、この目標というのはひとまず(仮)なものでも大丈夫。
一度設定した目標も自由に追加・修正して良いということです。
例えば私の場合、そもそも英語を学ぶ理由は「洋書を読みたい」ということでした。
翻訳本よりも原書の方が安いことと、全ての洋書が和訳されるわけではない、というのが主な理由です。
さらに、今は残念ながら事情が変わってしまったのですが、その当時は記録的な”円高”だったので、洋書というのはもの凄く割安感があったんですね。
そういった理由で英語を勉強し始め、それなりに洋書も読めるようになっていったのですが、ある日、英語のオーディオブックも聞きたいな、セミナーも見たいな、と新たな目標が出てきました。
そうなったらなったで、その目標を達成するための行動計画を新たに立てて、実行していけば良いだけです。
一度立てた目標を途中で変えてはいけないという事はありませんし、それまでに勉強してきたことも無駄になることは無いので、安心して目標(仮)を立ててください。
失敗する目標設定の例
英語を学ぶ目標は基本的に何でも良いのですが、典型的に失敗しやすい目標例というのがありますので、それらを紹介していきます。
- ”何となく”な目標
- 完璧を求めすぎる
- そもそも英語が出来る必要が無い
これらは全てつながりがあるのですが、英語学習で挫折する人の多くはこれら3つを”全て”満たしてしまっています。
上述した「英語が出来るようになりたいから」英語を勉強しているという人は、だいたい該当するのでは無いでしょうか。
「”何となく”な理由」というのは、英語が出来るようになったら「何となくカッコイイから」「何となくモテそうだから」「何となくお金が稼げそうだから」という理由で英語を勉強している状態の事です。
もちろん、英語が出来るようになれば、それらの目的も達成されるかも知れませんが、それって英語が出来ないとダメですか?
「そもそも英語が出来る必要が無い」というのはそういう事です。
ましてや、”何となく”といった弱い動機では、「英語なんか出来なくてもモテる方法はあるよな、むしろ『英語なんか必要ねぇよ!』って言ってる方が格好良くね?」と、英語を学ばなくても良い理由をどんどん発明してしまいます。
人間、やる理由よりもやらない理由を見つける方が得意ですから。
「完璧を求める」というのも、結局は目標があいまいだから、完璧に英語が出来るようになりたい!といった無理な目標を、”何となく”立ててしまうんだと思います。
完璧を目指すのがダメとは言いませんが、その場合は一生をかける覚悟を持ってくださいね。
成功する目標設定の例
英語学習を成功させる目標の立て方は、つまりは上記の失敗例の逆をいけば良いわけです。
- 明確な目標
- 必要充分なレベルを目指す
- 英語が出来なければならない
具体例を挙げれば、「外国人に道を聞きたい・道案内をしたい」「洋書のビジネス書を読みたい」「映画を字幕無しで楽しみたい」などですね。
さらに、その目標を達成したときの自分の姿、特に、目標を達成したことで得られる利益を享受している姿をイメージ出来れば、なお良いでしょう。
それがモチベーションの維持にもつながります。
ちなみに、上述の順番で難易度は高くなっていきます。
「映画を字幕無しで楽しむ」というのは、英語教材などではよく耳にするフレーズだと思いますが、実は相当レベルが高いモノです。
映画のセリフは、英語の教材に使われるようなキレイなナレーションとは違い、聞き取りづらいのはもちろん、教材では絶対に使えないような下品な表現というのも飛び交いますので。
リスニング教材をある程度聞き取れるようになり、自信満々で映画に挑むと撃沈すると思います。
逆に「道案内をしたい・されたい」というのは、もの凄く簡単です。
「道なりにまっすぐ」「角を右に曲がる」「向かって左側にある」「歩いて5分」などの、決まったパターンを覚えるだけで対応出来ますので。
また、それが必要充分なレベルで満足するということです。
「英単語の暗記」「多読」「ディクテーション」「シャドウイング」など、英語を身につけるのに効果的な学習法というのは多々ありますが、何が必要なのかはその人の目的次第ということです。
道案内が目的なら、これらのどれも必要ありません。
ひたすら道案内で使われる定型文を丸暗記してください。
リスニングやスピーキングも特に訓練する必要はありません。
決まったパターンが頭に入っていれば大体聞き取れますし、相手も聞き取ってくれます。
この辺をしっかり抑えておかないと、情報に振り回されて、あっちにふらふら、こっちにふらふらとなってしまいます。
ですので、まずは目標をしっかりと定め、そのために必要な事にのみ絞って学習してください。
それが、目標達成までの最短ルートです。